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2010年05月13日

職人気質

鱧を焼いてて、ふうって、私の焼物の師匠を思い出したりしますねん。

うちが焼物を始めたのんは、そないに昔のことと違います。

義母が鱧の焼いたンが好きで、「今日はあらへんかったicon15」て、凹んだはるのを見て、見よう見まねで私が焼いたンが、そもそもです。
義母いわく、
鱧は美味しいけど、タレが味ない」そら、そうですわね。
適当に作ったんですもん。


それで、うちに仕入れに来てくれはるプロの、どなたにタレの作り方をお尋ねしたらええのか、色々考えて、もとは、ええお店の割烹の花板さんやったんですけど、パーキンソン病にならはって、当時は、新聞配達所の賄をしたはった方に、目をつけましてん。
現役違うたら、教えてくれはるかも、って。

はじめは、ポンと断らはりました。
「そんなもん、焼いたらええのや」
それを粘ってやっとこさ、
「ほな、鱧の頭と骨を焼いといてんか。それと、買い物は・・・」
来て、タレを作ってくれはりましたン。

うちで、焼物を教えてくれはって、その後姿を見て、ほんまに、こういう仕事が好きなんやなぁと、しみじみ思いました。
私も今、そないして、焼物焼かしてもろうていますけど、人から見たら、どないに見えますのやろね。
はじめは、「夕鶴」のつうみたいに、自分の羽をすり減らすみたいに、心骨注いでいる気がしましたし、それから、青磁を焼くみたいにタレを重ねていくことの面白さに魅せられたりしましたけど、今は、どうやろと、焼物の師匠の後姿を思い出しながら、考えます。



そんなことを思うたのは、多分、ある和菓子屋さんのお話を聞いたからやと思います。
その方は、作りたての生菓子を食べて欲しいていう一心で、京菓子のお店を開らかはりました。
こんなお菓子を作らはります。
シンプルにして華麗、お能みたいなお菓子やと思います。



あるとき、ある団体の講演を知り合いから頼まれはりました。
その時折角やからお菓子を皆さんに食べてもらうていう話になり、引き受けはったんですけど、お茶がペットボトルを配らはると聞かはって、それを止めて、奥さんとお友達とで、お抹茶を立てて、飲んでもらわはったんです。
お茶碗まで会場に運ばはって・・・

自分の作ったものが、ペットボトルやのうて、ちゃんとしたお茶で、と思わはるその心に、私もはっと、しました。
私も、そこまで思えるくらいに、自分の作った焼物を愛し、自信をもてるような仕事をできるように、ならんとあかんなぁて、思います。


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