蛍が観たい

tao

2007年06月01日 00:15

岩倉に住む友人がを観たとか。

もう、六月。
そんな頃になったんやねぇ


蛍と言うと、源氏物語の「蛍」が好きです。
思いがけず親友の忘れ形見、玉鬘を引き取ることになった光の君。
玉鬘を売り込もうと、貴公子たちを集めます。
平安の昔のことゆえ、御簾の向こうの姫君を声や衣擦れの音から想像するしかない貴公子たちの前に、光の君が放った蛍が、つつしまやかな姫君の姿を美しく浮かび上がらます。
慌てて姫君は扇で顔を隠しますが、その一瞬に垣間見た美貌に
すごい、プロデューサーですわねぇ。

あと、昔瀬戸内寂聴さんの小説で、蛍を観ようと清滝までタクシーを飛ばすと、川に掛かる小さな橋の上に、先客がきているのですが、夏の事とて薄物、絽の着物の袖に入れた蛍がはしゃぐ舞妓の姿を浮かび上がらせてとても美しい情景を書かれていたように思います。
そのとき以来、蛍に恋焦がれています。
子供の頃母の里の愛媛の田舎で、季節はずれの台風になぎ倒された水田にが沢山でました。
農薬が使われへんかったからですやろかね。

母の里は海があり、そこからおおきな池の横にある一本道を通って行きます。
ずうっと行くと、みかん畑です。
左右には小さいながら水田が広がります。
昔はカワウソがいて、祖父は化かされかけたといつも聞いていました。

が乱舞したのはこの道でした。
空には満天の星が煌めき、
子供だった私達は、はしゃいで道を走り、を追いかけます。

あのころは、両親も元気でした。
蛍を通して、私は「よき昔」を想っているのかもしれません。



ちなみに、これは、甘楽 花子さんの「沢辺の蛍」です。
関連記事