食は春へと
私は朝は帳場に座っています。
コンピューターに向かい、伝票に品物の名前や目方、単価を入れていくのですけど、これで結構季節感もあります。
近頃
鱒・白魚・赤貝・鳥貝といった名前がよくとおります。
鱒は、ひな祭りの時には「
白桃焼き」とか言うて、甘酒を塗る焼き方をしやはったりします。
甘酒の白さから、ふうわりと鱒のピンクが見え、はんなりした焼き物です。
木の芽焼きも、綺麗ですね。
山椒の若芽の香りが、やっぱり春を思わせます。
白魚は、しらうおです。
踊り食いをするのは、しろうお(素魚)魚の種類が違います。
こっちは、ハゼ科、白魚はしらうお科やそうです。
卵とじ、天ぷら、お吸い物と、いろいろ使えます。
赤貝や
鳥貝は
てっぱい、酢味噌和えですね。
酢味噌の黄色に、わけぎの緑、赤貝の朱、烏賊の白、鳥貝の黒が映えてはんなりした感じが、いかにも春やなあという気になりますやろぅ。
貝はたいがい春が旬ですさかいに。
キーを叩きながら、なんや知らん、顔がほころんでくる私です。
これから、若布も生の取れたてが入ってきますし、
生の青海苔はもう入ってきています。
青海苔は、私の大好きな碗だねで、私は
落とし卵と合わせてお吸い物にするのですけど、お客さんでお
味噌汁が最高やと言わはる方もあります。
酢の物も青海苔の香りを生かすのに好きな使い方です。
お造りのあしらいにも、使えますし、一パックで春の短い期間楽しみます。
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