今度は名古屋土産
偶然、一日に二つ、同じおかきを頂きましてん。それが京都のと違うさかい、えらい、珍しい話やと思わはらしませんか。
名古屋の、ですねん。
一つ目は、私がブリの照り焼きを焼いていたら、番頭さんが
「なんや、どないしても、奥さん呼んで欲しいて言うたはります」
えー
そう聞いてまず心配するのはクレームでっさかいに・・・
へっぴり腰で表に行くと、にこにこした女の人が二人、なんか、見覚えある・・・
夏の夕暮れ、京都観光でくたくたになって、お土産を買いに錦に来やはったんやそうです。
それで、うちの店で買い物をしやはった・・・
私が
冷たい麦茶をお出ししたのが、喉が渇いてはったんで、嬉しかったと言うて、来てくれはって、これをくれはったんです。
そんな、麦茶でそんなに喜んでくれはるなんて、嬉しいけど、申し訳ないという気持ちでした。
そない言うて来てくれはっただけで、十分嬉しいのに・・・
「ほな、今日は寒いでっさかい、昆布茶でもどうです?」と梅昆布茶を飲んでもろうて、帰っていかはりました。
申し訳ないという気持ちが、ほんのり嬉しさに染まっていきます。
こんな出会いが、対面商売の楽しさですやろね。
そして、もうひとつは、去年末リベンジ復活バイトに来てくれた「
元バイト」クンでした。
一昨年彼は自分の働きがイマイチだったと、就職活動で一旦辞めていたのですけど、年末数日来てくれましてん。
ビックリするくらい動きもようなって、するべき事を完全に把握している感じで、随分大人になったもんやと嬉しさに目を細めたもんでしたけど、今は名古屋勤務なんやそうです。
就職してから遊びに来てくれたバイトクンの常で、懐かしそうに店の中から表を見る表情は、
いまだにうちの店のモンの視点です。人通りの多さに
「なんや、長靴と前掛けせんならん気がしてきましたわぁ」
じっとして居られない気がしてきたんですやろね。
そんな彼を見る眼は、皆とても温かです。嬉しいんです。
来てくれただけで嬉しいのに、手土産に持って来てくれたンが、これです。
ホンマに手ぶらでええのにぃ・・・
寒うて、慌しい毎日やけど、人の心の温かさを感じてホッとしました。
さくさく日記、美味しかったですえ。
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