恩讐の彼方に
大晦日夜シャッターを下ろすと何ともいえない心地です。それまでは
バイト君たちを叱咤激励ばかりしていた私ですが、感謝の気持ちで一杯になります。朝は疲れてボロボロの体でしょうから、そこをなんとか出勤してくれた顔を見ると、内心はよう来てくれたなあと思うのですが、長い最後の一日、緊張の糸が切れがちになるのをなんとか繋げようと、お八つを出したり、配達に行ってもらったり、こちらもあの手この手です。
店が片付くと、毎年のことですけど、ビールで乾杯をします。何故か皆、ビールを持って一人ずつもれなく乾杯しようとぐるぐる回ります。とりとめも無い話ばかりです。去年は皆で体重計で遊びました。体脂肪や体内年齢などがでるもので、量り合いをしたのです。
昔私が結婚してきた初めての年末、終わったと知って心に浮かんだ言葉が
「恩讐の彼方」でした。お互い、いつも利害は一致するとは限らないし、対立もあります。
けど、共にこんなにしんどい中をやってきた仲やんか。終わってしまった今、どこに心のわだかまりが残っているやろう。
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